第2章 デザインとプランニング: フォーマル・ガーデンの設計


第2章 デザインとプランニング Design and Planning 


ఔ フォーマル・ガーデンの設計 PLANNING THE FORMAL GARDEN ఔ



 中世の庭園はいつでもデザインはとてもフォーマル(整形式)で、四角や丸い花壇にハーブや花と一緒に野菜が育てられていました。スペースが狭くてインフォーマルなデザインが難しいような場合にはフォーマルなスタイルは現代の庭にもとても適します。

 私自身のフォーマル・ガーデンは野菜を育てるとても優れた方法だと分かった「深い花壇」の区画から発展しました。この方法では単位平方ヤード当たりの収量が多くてえ少なくとも2倍になります。深い花壇の作製法は第3章(p.75)に記載しています。

 フォーマルなデザインでは、花壇の幾何学的なスタイルを明確に区画することが重要で、植栽のインフォーマルな様式と花壇のフォーマルな形がとても心地よいコントラストを作りだします。

 これを実現するには、花壇は耐久性のある素材で縁取らなければなりません。もしビクトリア朝の縁取り用タイル、あるいは高強度のレンガを使用できるなら、とても装飾的な縁どりができるでしょう。しかし、もっとも容易でかつ安価な方法は木材を使うことです。私は断面が4インチ×1インチ(10×2.5cm)の板を使って、緑に塗り、木の杭で固定しました。角を少し美しく飾るために、支柱の上に装飾的などんぐり形の飾りをつけました。もともと飾りのつもりで作りましたが、この支柱は散水用のホースを庭で使うときに花壇の中に入って中の植物を駄目にすることを防ぐ効果もあり、大変役に立つことが分かりました。(第3章、p.69参照)

 花壇の間の通路には細かい小石を2インチほどの厚みに敷きました。

 花壇は厳密にフォーマルですが、その中の植栽はインフォーマルにしなくてはいけません。私はマリゴールド、ペチュニア、コスモスのような一年草を野菜の間に植えることで、害虫の天敵を呼び集め、見た目にも気分を高められるようにしています。

 ハーブ・ガーデンは8角形につくり、木の板で縁どりをしました。車輪型はハーブ畑の伝統的な形で、そのスポークに当たる部分にはレンガを使って小道をつけて、手入れをしやすくしています。ここのような小さなハーブ・ガーデンでは背が高くなったり、茂りすぎたりするような種類のハーブは避けることが大切です。例えばラベージやアンゼリカは、一株でも花壇を占領してしまうので、タイム、マージョラム、ディル、セージあるいはパセリなど背の低い種類に限ります。

 この庭では肥料は少し値段は張りますが入手しやすい馬糞を使用しています。馬糞を最大限に利用するために、2度活用します。すなわち、新しい馬糞を買ってホット・ベッド(温床)に積んで、まだ早い季節でお店では高い時期に作物を栽培して安く生産するのに使います。一年後に馬糞が十分に堆肥へと熟成したら、肥料として庭にまいて利用します。ホット・ベッドについては第3章のコールド・フレームの項に詳しく書いています(p.64)。

 長年継続して収穫できるルバーブ、アスパラガス、ハマナなどの栽培の場所も計画に含めるのを忘れないようにしてください。また、庭の周囲に壁やフェンスがある場合には、果樹をそれらに誘引して育てるのに利用して下さい(第8章の果樹の形の項を参照、p.202)

フォーマル・ガーデンのプラン

ハーブ・ガーデンのデザイン2例