第2章 デザインとプランニング: 製図板


第2章 デザインとプランニング Design and Planning 


ఔ 製図板 THE DRAWING BOARD ఔ


 あなたが必要なもののリストができたら、次はそれらを絵に描いてみることです。必要なものをあちこちに動かしてみて検討すればそれでOKです。そういうととても簡単そうに聞こえますが、実際には、すべての構成要素を魅力的でかつ有用で便利な配置を考えるのは庭作りでも最も難しい部分です。でも、リストをいくつかの部分に分割して、一つずつ処理していけばずっと簡単になります。いずれにしても、いろいろ制限があるために選択肢は限られてきますから、最初感じたよりは決定は難しくはないでしょう。

 最初の仕事は庭のアウトラインを一枚の紙に描くことです。そのためには基本的な敷地の測量法を少し知る必要があります。測量用のテープ(これは借りるとよいでしょう)、クリップボード(または、厚紙にクリップ)、鉛筆、そしてできれば助手、が必要になるでしょう。

 もし庭が正確に正方形や長方形で何もなく、家も直角に位置していれば、何も問題ありません。各フェンスの長さを測って、三角定規を使って紙に書くのも簡単です。しかし、もちろんそのような場合はほとんどありません。10軒のうちの9軒では、たとえ見かけ上は長方形にみえても、各辺は直角でなく、家も直角には建っていません。

 だから、最初の仕事は4つの角(複雑な形の土地ではもっとたくさん)の位置を正確に把握することです。これができたら、フェンスの位置を書くことができます。そのためには「三角測量」と呼ばれる方法を用います。

 まず家の測量から始め、基本計画の紙に描いて下さい。家は直角になっているので、そのまま測量して描けます。そのあと、家の角を固定した点として用い、測量していきます。

 最初に家のひとつの角から庭の近い角までの距離を測ります。クリップボードの紙に大雑把なプランを描いて、長さを書きとめます。次に家の別の角から庭の同じ角までの距離を測り、書きとめます。この測量を庭の他の角でも繰り返します。

 これらの測量結果を元に、基本計画の紙に庭の形を描きます。コンパスを使用して庭のそれぞれの角の位置を家の角との関係から決めていきます。もちろん、紙には一定の縮尺で書いていきますが、その縮尺は庭の大きさと紙の大きさで決まります。可能な範囲内でできるだけ大きく描くほうが容易になります。また縮尺は計算が難しくないような比率にすると便利です。メートル法が10進法なので簡単です。つまり、1メートルを1センチにという具合です。しかし、もしあなたが私と同じように保守反動的でフィートやインチが使いやすいようならば、同じように縮尺を考えてやってください。ただし、計算の得意な脳みそが必要になると思います。1/10インチを1フィートにするというような方法ならそれほど難しくはないでしょう。


 庭の境界を書いたら、次は変えられないものの位置を測量します。たとえば、樹木、マンホールのフタなどで、これらも三角測量します。

 いよいよ庭のプランニングのスタートです。家や庭の境界はインクで描き、はっきり見えるようにして、その上にトレーシングペーパーを1枚重ねて下さい。自分が欲しているデザインに行き着くまでには、線を引いて抹消したり、消しゴムで消したりを繰り返していきますから、トレーシングペーパーに書いていくことで最初に書いた基本計画の紙を駄目にせずに済みます。