第7章 野菜: 品種を選ぶ

第7章 野菜  VEGETABLES



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 何を育てるかが決まったら、次は種のカタログを取り寄せて品種を選びます。どの品種も賞賛に満ちた説明がされているため、なかなか選ぶのに苦労するでしょう。この庭では、選ぶに当たっていくつか心に留めておくべきことがあります。

 第一は、病害虫への抵抗力のある品種を選ぶことです(第10章の「抵抗力の強い品種」を参照)。これは現代の品種改良の大きな利点で、オーガニックのガーデナーには強力な助っ人です。抵抗力の強い品種の改良こそ、将来の害虫対策の中心となるでしょう。抵抗力が強くて育てる価値の高い品種がすでにたくさんあります。

 もちろん、味の良いものを選ぶようになるには何年か学んでいく必要があるでしょう。ですから、毎年新しい品種を加えて育ててみるのは名案です。そうしないとよい味のものに巡り会えないからです。

 ボーダー花壇で魅力的な品種も探してみましょう。普通の品種と同じ美味しさで、しかも見栄えがよりすばらしい品種が少なからずあります。例えばルビー・チャードは、普通のスイス・チャードと同じような味ですし、赤いメキャベツの「ルビン」もすばらしい味です。

 最後に、一代雑種(F1 hybrid)と呼ばれる品種に関するむずかしい問題があります。種の袋、あるいはカタログにF1と書かれているのを見たことがあると思いますが、種をつくるには複雑な手作業が必要なため、普通に昆虫によって受粉してできる種よりずっと値段が高くなっています。たしかに育種業者が雑種強勢と呼んでいる大きな利点がありますが、このタイプの種は大規模栽培を想定して作られて、私たちが必要とするものとは異なる可能性があります。大規模栽培では、例えばメキャベツでは一度にすべてのメキャベツを収穫できるのが良いわけですが、家庭菜園ではそれはむしろ欠点になります。大きさや形が均一であるのも商品としては大事ですが、家庭菜園ではマウドおばさんの家族が訪ねてくる日には大きいキャベツがよいですが、自分で食べるのには小さいのが良いときもあります。大規模栽培では味が良いことは決して優先されていないので、一代雑種の品種には注意が必要です。味がどうかを知るためには、実際に栽培してみるしかありません。