第5章 装飾的植物: 砂利の園路の植物

第5章 装飾的植物  DECORATIVE PLANTS



ఔ 砂利の園路の植物 PLANTS FOR THE SCREE PATH ఔ




 植栽した植物が茂ってきて石板の硬い輪郭をおおい隠してくれると砂利の園路は素晴らしく見えます。しかし少し通り抜けにくくもなりますが、ガーデナーにとって急がなければならない場所もないでしょう。それはゆっくり歩いてまわりを楽しむことになるので、私には大きな利点と思えます。しかしながら、確かに植栽については問題点もあります。

 十分注意して歩いてもどうしても園路の植物を踏みつけることがあると思いますので、注意深く植物は選ぶ必要があります。石板のまわりには繊細な植物を植えることはもちろん十分可能ですが、石板の真ん中あたりまで広がるような植物は丈夫でなくてはなりません。ですから選べる植物の種類はかなり少なくはなりますが、それでも本当に魅力的な仕事ができるぐらいの十分な種類の植物は残っています。以下の植物のリストにはどこに植えたらよいかを示しています。ここでも、リストにあげている植物は少数ですので、高山植物を扱っている園芸店に見に行くことをぜひお勧めします。




アカエナ Acaena

 多くのアカエナ(New Zealand burr)は多少の踏みつけには強いので理想的です。青緑あるいはブロンズ色の葉が厚みのあるマット状に広がり、赤い色の毛をもつ花におおわれます。


エゾノチチコグサ Antennaria dioica

 一面をおおってくれる植物で、グレーの葉がマット状に広がります。初夏に短い花茎の先に白い花をつけます。'Rosea'という品種はきれいなピンク色の花です。園路の中央にも使え、踏みつけられることで必要な剪定をあるていど済ませることができます。


アラビス・フェルディナンド・コブルギー Arabis ferdinandi-coburgii 'Variegata'

 この名前だけで植えてみたくなりますが、舗装部の縁に適しています。踏まれると痛んでしまいますが、よく再生もします。白い斑入りのしっかりしたロゼットをつくり、小さな花を春につけます。


ハイユキソウ Arenaria balearica

 素敵な繊細な植物で、小さな緑の葉とたくさんの小さな白い花が薄い膜状に広がります。日陰を好みます。


アルメリア Armeria

 アルメリアは日当たりを好み盛り上がった茂みをつくります。傷つかないように園路の縁に植えます。A. alpina は10~15cmの花茎にピンクの葉が咲き低い茂みをつくり、A.junierifolia はほとんど花茎のないピンクの花が咲きます。



ホタルブクロ Campanula

 ボタルブクロでここに適する種類が1、2種類あります。C. cochleariifolia は素晴らしく広がり、小さなつやのある葉のマットをつくり、2.5cmぐらいの短い花茎の上に無数の天使の釣鐘のような花をつけます。花の色は白からラベンダー、濃い青まで品種により異なります。踏みつける危険を避けるために園路の縁に植えます。C. carpatica 'Turbinata' は園路の縁に小さな茂みをつくり、豊かな青い色のソーサーの形の花を夏に咲かせます。白い花の品種もあります。


フランケニア Frankenia

 ほふく性の常緑の植物で、夏にピンク、白、あるいは赤い花をつけます。砂利の園路によく合う品種には、夏に赤い花をつけるF. hirsuta、小さな葉とたくさんのピンクの花のF. laevis、グレーの葉に花茎のないピンクの花をつけるF. thymifoliaなどがあります。園路の縁に植えて、中央まで広がらせるようにします。


ゲラニウム Geranium

 矮性のゲラニウムのいくつかは園路の縁に植えるのに適していて、園路の中央まで広がるでしょう。G cinereum 'Ballerina' は灰色がかった緑の葉で整った茂みをつくり、大きなカップ型のライラックピンクに紫色の線が入る花をつけます。'Apple Blossom' はこれによく似ていますが、花の色は透き通ったピンクです。G. sessiliflorum 'Nigricans' は茶色がかった緑の葉が厚いマット状に茂り、白い花をつけます。




ヘリクリスム・ベリディオイデス Helichrysum bellidioides

小さなグレーの葉がマット状に広がり、白い花がそれぞれの枝の先につきます。育てやすい植物ですが、湿気の多い場所には弱いようです。踏みつけられるのにもある程度耐えてくれます。


コルシカミント Mentha requienii

 園路に日陰の涼しいところがもしあるなら、このミントを植えてみましょう。小さな葉のペパーミントの香りのする葉が薄い膜状に広がり、春から夏に小さなラベンダー色の花をつけます。その上を歩くと痛みますが、すぐに再生するようです。


ギンパイソウ Nierembergia repens

 ナス科のほふく性の植物で、地中を茎がのびて広がります。夏に釣鐘型の白い花をつけ、園路の中央近くまで広がらせることができます。


ザンセツソウ Raoulia australis

 もしこれを育てられるなら、素晴らしい植物です。小さいシルバーがかった葉で厚みのあるマット状に育ち、小さい黄色の花が密に点在して咲きます。湿った気候には弱いですが、砂利を節約せず水はけがよければ、試してみる価値があります。園路の縁に植えます。


ユキノシタ Saxifraga

 ユキノシタ属は大きく、たくさんの異なる植物を含みます。園路の縁に適する種類は表面がしっかりした茂みをつくり、いろんな色、たとえば白やピンク、赤や黄色などの花をつけるようなものです。交配品種の'Irvingii' は、グレーのロゼットの硬い茂みをつくり、ほとんど花茎のない花をつけます。'Iris Pritchard' はライム色の表面の硬い茂みに淡いアプリコット色の花をつけます。'Lady Beatrix Stanly' はこれに似ていますが、花色は赤です。


センペルビブム Sempervivum

 万代草は決して踏みつけてはいけませんが、園路の縁に植えればとても素晴らしく見えます。耐寒性のサボテンに一見似ていますが、肉厚の葉がグレーがかった緑からマホガニー色までいろんな色の魅力的なロゼットを形づくります。適した品種がたくさんあります。


タイム Thymus

 クリーピング・タイムはすべてに素晴らしく、その葉は踏みつけるとアロマの香りを放ちます。ですから時々葉が踏みつけられるような場所に植えるとよいでしょう。タイムにはいくつかの素晴らしい種類、品種があります。T. longicaulis は香りのある葉がマット状に広がり、初夏には淡い赤紫の花が咲きます。T. minimus は真横に張って広がり、ウールのような葉とピンクの花が特徴です。T. serpyllum の品種のいくつかもとても素晴らしいです。'Albus'は白い花、'Coccineus'は濃い赤色の花、'Lanuginosus' はグレーがかった緑色のウールのような葉がマット状に広がり、きれいなピンクの花をつけます。


ベロニカ・プロストラータ 'トリハーン' Veronica prostrata 'Trehane'

 低い黄色い葉のカーペットをつくり、初夏に花茎の先に咲く青い花のよい背景になります。これも園路の縁に植えます。