第8章 樹木の果実: 柑橘類

第8章 樹木の果実  TREE FRUIT



ఔ 柑橘類 CITRUS FRUITS ఔ



 柑橘類はもちろんより暖かい気候の国のものですが、より温和な気候でもよく育ちます。事実かんきつ類は涼しい側を好み、激しく気温が変動するのを嫌います。夜の気温が5℃ぐらいで、昼間がもう少し高いぐらいでも十分に適しています。ですからポットに植えて冬は温室で育てることができますし、夏の間はパティオに置けばとても魅力的で面白いでしょう。
 かんきつ類はいずれも同じような手入れ法で低木として育てられます。


種類と品種 Types and varieties


オレンジ

 'Washington Navel'は最良の品種のひとつで、とてもジューシーで甘く、ほとんど種のない果肉です。'Late Valencia'は大きなジューシーな実をつけ、長い期間にわたって木にならせておくことができます。'Seville'はマーマレードや砂糖漬けに適したベストな苦みのあるオレンジです。

マンダリンオレンジ

 'Satuma'は矮性の枝垂れる日本の品種で、優れたタンジェリン風の味がする小さな実をつけます。'Encore'はカリフォルニアから最近紹介された品種で、豊かなジューシーな実をつけ、オレンジ色に暗い色の斑点があります。

レモン

 'Meyer's'は温和な気候で最良の品種でしょう。コンパクトでたくさん実をつけ、花はほとんど絶えず、たいへん味のよい中型の果実をつけます。'Quatre Saisons'は地中海からき人気の品種で大変たくさん実をつけます。



ライム

 'Tahiti'は大きくて甘く、種のないライムで、木はコンパクトですがたくさん実をつけます。他のかんきつ類より冬は暖かくしてください。もし冬に十分な加温ができないようなら、ライムとキンカンの交配種を植えましょう。'Eustis'はライムと味はそっくりですが、少し小さな実をたくさんつける品種です。寒さに強くて育てやすいのが特徴です。


グレープフルーツ

 'Golden Special'は大きい黄色のとてもジューシーな実をつけるニュージーランドからきた品種です。よく育つとたくさんの実をつけます。



植え付け Planting


 かんきつ類は少し酸性の土壌を好みます。ですから直径38cm以上のコンテナに酸性の培養土を入れて育てます。水はけのよい土壌も好みます。よい土2に対して粗い砂や酸性の堆肥かピートの代用品1の割合で混ぜて使います。これに肥やしも追加するとさらによくなります。私は素焼きの鉢を好んで使いますが、それはプラスチックより空気を通しやすく、またパティオに置いた時に見栄えがするからです。


手入れ Cultivation


 常に涼しく保つようにします。冬は最低5℃以上の温室に入れます。霜のおそれがなくなったら外に出します。10月にはまた温室に入れます。
 木が若いうちは肥料のやりすぎは根を痛めることがあり、よくありません。動物の液体の肥やしを使用し、水切れに気をつけます。
 開花期を除いて、もし可能なら毎朝水を噴霧します。


剪定 Pruning


 剪定は冬と収穫後に行います。冬の剪定では、込み入った枝を減らし、枯れ枝や病気の枝、内向きの枝などを切ります。収穫後は収穫した枝を10cmほど残して切ります。


収穫と保存 Harvesting and soring


 オレンジとグレープフルーツは実が色づいたらひねって枝からもぎますが、レモンやライムはハサミを使って収穫します。きわめて長期間、最大半年ぐらい、木にならせたままで悪くならずに持たせることができます。
 保存する場合は、箱に入れて数インチの厚みの乾いた砂をかけます。涼しい、霜の降りない場所に箱は置いておけば、2か月ほどは持ちます。