第5章 装飾的植物: ワイルドライフを惹きつける

第5章 装飾的植物  DECORATIVE PLANTS



ఔ ワイルドライフを惹きつける ATTRACTING WILDLIFE ఔ




 このことを考える際に、病害虫を管理しようするのは大変傲慢なことです。大地から生計を立てる人々は自然をコントロールすることはできないことにすぐに気がつきます。反対に、自然が私たちをコントロールするのであり、それに気づくのが早ければ早いほどいいのです。

 殺虫剤を使うことで害虫の攻撃は一休みしますが、抵抗性をもった害虫が出現するのに時間はあまりかからず、そうすると新しいもっと強力な毒性の殺虫剤が必要になることを、農夫や栽培業者なら誰でも教えてくれるでしょう。その代償を私たちは今、気づき始めているのです。

 事実、自然は病害虫をコントロールする力を十分に持っているので、私たちがやるべきことはそのルールに従って正しい条件をつくりだすことなのです。そして実際に、自然に起こるよりももっと良い条件を作り出すことが私たちはできます。というのも、自然な状態よりももっと多彩な植物を
庭に植えつけることができるからです。植栽が多彩であればあるほど、惹きつけることのできる野生生物の種類も多くなり、すでに述べてきたように、その中には悪者もいるのですが、庭を見回ってそれを駆除してくれる天敵も十分いるのです。

 ですから、装飾的菜園の植栽の第一のルールは、できるだけ多様な植物を植栽するということです。

 樹木は鳥がとまる場所や巣を作る場所を提供し、品種を選べば実をつけて鳥の餌にもなるため重要です。地元原産の樹種から選ぶ必要は必ずしもなく、近縁の品種を含めるのもよいアイデアです。例えば、サンザシ、ナナカマド、野生リンゴなどの原種の園芸品種があり、たくさんの在来の昆虫を幸せにし、鳥たちも養ってくれるでしょう。

 天敵を呼び集めたり、野生生物の住み家になったりするオーナメンタルな植物もあります。例えばツタは巣を作るのに適した場所と餌を提供し、アブラムシを食べるハナアブは他の昆虫たちの冬ごもりの場所にもなり、チョウに蜜を与え、ルリシジミの幼虫の餌にもなります。

 ポーチドエッグやマリゴールド、セイヨウヒルガオなどのオープンな構造の花では、短い口吻しか持たないメスのハナアブが産卵前に食事をすることができる。一方、オオベンケイソウ、フサフジウツギをはじめたくさんの花ではたくさんのチョウを惹きつけます。

 しかし、すべてを考慮すると、このような意味で役立つ植物だけを植えるということを私が主張するわけではありません。もっとも良い方法は、可能な限り多くの種類の植物を植えて、後は自然に任せるというのが良いと確信しています。どの植物がどの生物を惹きつけるかは、実際にやってみないと分からないことも良く分かっています。たとえば、ミヤマシキミは春にたくさんのテントウムシが集まることを発見しました。テントウムシはアブラムシをよく食べてくれますが、なぜ私のところのミヤマシキミに集まるのかは、私にはさっぱり分かりません。


鳥を惹きつける植物 Plants to attract birds


 鳥を惹きつける樹木や低木、草花は何百もあるので、きりがありません。キンギョソウ、アオキ、メギ、ブラックベリー、チェリー、コスモス、ベニシタン、グミ、セイヨウニワトコ、ニシキギ、サンザシ、モチノキ、スイカズラ、ヤグルマギク、ピラカンサ、バラ、スカビオサ、ナナカマド、ヒマワリ、セッコウボク、イチイなどなど。


ミツバチのえさになる植物 Food plants for bees


 一年草では、アリッサム、ボリジ、キャンディータフト、サンジソウ、コレオプシス、ヤグルマギク、フレンチマリゴールド、ゴデチア、チドリソウ、ロベリア、ナスタチウム。
 低木や多年草では、ジューンベリー、セイヨウメギ、ヒメリュウキンカ、ボケ、チャイブ、ミズキ、コトネアスター、デルフィニウム、エキノプス、ラベンダー、ルピナス、ノギク、トリカブト、プルモナリア、マツムシソウ、セダム、タイム、ベロニカ。


チョウを惹きつける植物 Plants to attract butterflies


 アリッサム、アルメリア、オーブリエチア、ブッドレア、ヤグルマギク、ナデシコ、ワスレナグサ、サンザシ、スイカズラ、ヒソップ、ラベンダー、ライラック、ノギク、キャットミント、ペチュニア、ポリアンサ、プリムラ、マツムシソウ、セダム、アキノキリンソウ、タイム、ビオラ。



ガを惹きつける植物 Plants to attract moths


 スイカズラ、ジャスミン、センノウ、ニコチアナ、ペチュニア、サポナリア、フクロナデシコ、バーベナ。