第3章 庭づくりと栽培: ノットとパルテールづくり


第3章 庭づくりと栽培 Construction and Cultivation 


ఔ ノットとパルテールづくり MAKING KNOTS AND PARTERRES ఔ



 フォーマルなスタイルのノットガーデンやパルテールは大昔のものですが、現代の庭にもよくマッチします。最近はハーブの装飾的な植栽方法としてよく使われています。もちろん花や野菜の栽培に使ってはいけないという理由はありません。何といっても一番良いのはこれら3つを別々の区画に植えるようにするデザインです。

 ヴィランドリー城庭園はこの技法の完璧な例で、もちろんスケールは巨大すぎます。現代の二軒長屋では少し控え目にしなくてはならないでしょう。


デザイン The Design

 まずグラフ用紙に一定の縮尺でデザインを書いてみましょう。大昔のノットはペルシャやインドのカーペットのデザインをまねているためにあまりにも込み入ったデザインになっています。スペースと剪定の時間がたっぷるあるならそれも良いのですが、狭い庭でハーブや花、野菜などを含めてデザインする場合にはシンプルにするのがベストです。

 まず敷地を耕して、多年草の雑草を取り除き、肥料や堆肥を混ぜ込みます。そしてしっかり足で踏み固めて、レーキで平らにします。

 デザインする地面に直線や曲線を描きますが、砂で書いてみるのも良い方法です。特にデザインを一気に描けないときは、土を引っかいて描いた線は消えてしまいやすいからです。

植栽 Planting

 もちろん最もフォーマルなノットやパルテールに適した植物はふつうのボックス(Buxus sempervirens)です。買うと高いのですが、挿し木で容易に増やせます(p.150 第5章の挿し木による増やし方の項を参照)。よく似たもので大きくなりすぎたり、枝葉が密生しない品種もありますから、確実に間違いのない品種を買ってください。縁取りに何世紀にもわたり使われているのは'Suffruticosa'という品種で、今でもこれがベストです。

 移植ごてを使って間隔を15~23cmとって印をつけた線に沿って植えつけます。もし挿し木からの苗の場合は地植えにして育てたあとに裸苗にして植えつけます。植え付けの適期は秋か4月です。コンテナで育てたものはいつでも植えつけられます。庭に植える苗木が余ったときには、庭の隅に植えておきます。寒い地方では特に一部の苗が急に特別な理由もなく枯れることがあり、そこを埋めるために余分の苗を育てていると役に立ちます。

 他にもラベンダーやコットンラベンダー、ローズマリーといった昔から人気のある植物も縁取りに使えます。しかし、年とともに足元の葉がなくなってきて見かけは悪くなりがちです。

 縁取りの植物を植えたら、それぞれの区画に苗の植えつけや種まきはすぐにできます。しかし、一年目はボックスがよく育つように区画の中にはあまりたくさん植えないほうが良いでしょう。急に大きくなったり、縁取りに覆いかぶさるような植物は育てないように注意が必要です。





管理 Maintenance

 予定した幅より広く育ってきたらすぐに剪定ばさみで生垣の側面は剪定します。生垣の上は2年目になって予定の高さに育つまでは切る必要はありません。剪定は7月か8月が適期です。

 剪定の枝は他の生垣の場合と同じで、上の面と側面をできるだけ平らにし、角は丸くならないようにします。剪定の目安にするために切る高さに紐を引いておくと良いでしょう。よく見て時間をかけて選定するのが大切です。少し後ろにさがって剪定したところを横から見て、きれいに平らに切れているか確かめながら、一度にたくさん切らないように注意して剪定します。

 毎年肥料をやるのが最も大切です。これはよく忘れられがちで、うまく育たずに枯れたりする原因になり、生垣の見かけを台無しにします。魚粉などの肥料を2月にやりれば十分で、区画内にいれられる堆肥や肥料も生垣はもちろん利用します。

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