第7章 野菜: それぞれの野菜について

第7章 野菜  VEGETABLES



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アスパラガス Asparagus


 アスパラガスは水はけの良い土が必要です。水はけが悪い場合は粗い砂や有機物を混ぜた土を盛り土して改良します。シダのようなその葉はボーダー花壇でも魅力的な植物です。

品種: 種をつけるためにエネルギーを使わない雄だけの品種を選びます。'Lucullus'は良い品種ですし、新しい品種の'Franklim'は太いアスパラガスがたくさん採れます。

育苗: 2月に少し暖房したところで種をまいて育てます。苗を小さなポットに移植し、6月に寒さに慣れさせた後に庭に植え付けます。根(クラウン)を購入すると早く大きくなります。一年ものが成長が良いので確かめて買いましょう。

植え付け: 根を購入する場合は、届いたらすぐに水に1時間ほどつけます。そしてすぐに株の間を30cm開けて植え付けます。

手入れ: 水を切らさないように気をつけます。春には骨粉や魚粉などをやります。秋には黄色くなった枝は切り取り、良質の堆肥で根の部分をおおっておきます。

収穫: 新しい品種では収穫は2年目に始めますが、2年目まではクラウン一つにつき1本以上は採らないようにします。地表から10cmぐらいになったら地面のできるだけ下で切って収穫します。次の年のための栄養を蓄えるために何本かの枝は残すようにします。


アーティチョーク Glove Artichokes


 とてもグルメな楽しみで、素晴らしいボーダーの植物でもあります。その印象的なアザミに似たグレーの葉はドラマチックな効果があり、青や赤の背丈の低い草花を下に植えられると特に素晴らしく見えます。

品種: 'Green Globe'は古くからある人気品種で、これを超えるものはありません。

種まき: 種から育てやすく、1月か2月に18℃ぐらいで発芽します。7.5cmのポットに2個種をまいて、強い苗を残し間引きます。

植え付け: 4月に日当たりのよいボーダーの真ん中あたりに1本植えつけます。複数一緒に育てる場合は間隔を45cmとってください。

手入れ: 水やりと草取りをすれば、それ以外は特にすることはありません。次の年も続けて育てられますが、さらに広いスペースが必要となります。間隔は90cmぐらい必要です。

収穫: 花頭部分を開花する前のやわらかくて瑞々しいうちに切って収穫します。



キクイモ Jerusalem Artichokes


 ボーダー花壇に向いた草丈の高い多年草です。庭の端に一列に植えると夏のすばらしい風除けになります。その塊茎は冬にはなくてはならないものです。デンプンを含まないのでダイエットに最適です。

品種: 'Fuseau'はもっとも表面が滑らかで皮のむきやすい品種です。

植え付け: 早春に30cmの間隔で塊茎を植えつけます。

手入れ: 初冬に茎を切ります。

収穫: 必要に応じて冬の間に堀上げます。



ナス Aubergines


 寒い地域では温室の野菜とみなされます。ポットでの栽培は容易で、夏の間は温室に置くスペースがなければ外の日当たりがよくて風が当たらない場所でも育てられます。よく育って一本あたりに6個ぐらいの収穫ができます。

品種: 何種類かの品種の種が入手可能ですが、大きな違いはないようです。'Moneymaker'や'Black Prince'などはおいしいナスができます。

育苗: 2月から3月に18~21℃ぐらいで種をまきます。双葉が育って苗を扱いやすくなったら、7.5cmのポットに移し、温度を15℃ぐらいにします。

植え付け: ポット内に根がじゅうぶん回ったら、ポット用の培養土を入れた23cmのポットに移します。

手入れ: 支柱を立て、水やりのたびにトマト用の液肥を与えます。高さが30cmぐらいに育ったら先端をピンチします。側枝も小さな実をつけていたらピンチします。一本あたり6個程度になるように身の数を減らしっます。もし温室内でコナジラミが発生したら、ポットを外に出し(霜の心配がない場合に限ります)、勢いよく水を当てて洗います(植物を傷めない範囲内で)。ほどなくコナジラミはいなくなります。掃除機を使う方法もあります。

収穫: 表面に艶がある間に収穫します。艶がなくなると実が硬くなります。


ソラマメ Broad Beans


 マメは栄養価の高い、タンパク質を含む食品で、たくさんの葉は堆肥のもとになり、根では細菌が次の作物の栄養となる窒素化合物をつくるなど、とても役に立つ野菜です。

品種: クローシュの中に草丈の低い品種の'The Sutton'を植えると長期間その中で育てられます。主役として育てるには'Jubilee Hysor'が、緑色の豆が好みなら'Relon'が良いでしょう。

種まき: 2月に温室で小さなポットかトレイに種をまき、3月に植え付けをしてクローシュをかぶせます。あるいは3月に直接15cmほどの間隔でマメの種をまいてクローシュをかぶせても良いでしょう。本来の時期のものは3月から4月に2個ずつ15cmほどの間隔でまきます。

手入れ: 苗がクローシュの上までとどいたらクローシュははずします。本来の時期のものは120cmの支柱を立て、ループ上の紐で支えます。

収穫: 熟したものから順次収穫していきます。。マメのサヤを1つ2つ残しておいて乾燥させます。これは8月か9月はじめに再度種まきに使えますが、10月か11月に収穫するのはやわらかい植物の先端部分です。さっと炒めたり茹でるととても美味しいです。すべてのマメを収穫したら地際で茎を切って堆肥の山の上に積み、根は掘ってまた戻し、その中に生成された窒素化合物を土に戻します。


インゲンマメ French Beans


 ふつうは低い茂みをつくりますが、サヤインゲンと同じように育てられるツル性の品種もあります。ソラマメと同じく根に窒素化合物がつくられます。

品種: 'Daisy'は長くて丸いサヤが上に向かっているので摘み取るのが容易です。'Kinghorn Wax' は明るい黄色のサヤで、ボーダー花壇で目を引き、'Purple Queen'は濃い紫色のサヤです。この3つはいずれもよい味です。ツル性のマメが好みなら、'Pruple Podded'が見栄えもよく美味しいです。'Blue Lake'は大きな実ができます。

種まき: 温かい条件を好みますから種はあまり早くはまきません。私は3月か4月に温室で7.5cmのポットに3粒ずつまきます。発芽したらいちばん強い苗を残してあとは間引きます。外に直接まく場合は4月のうちはクローシュの中で、5月に入れば何も保護せずにまくことができます。三本一緒に育てるのが見栄えがよいですが、もちろん一本でもかまいません。

植え付け: 5月末か6月初めに外に植えつけます。

手入れ: 水やりと草取り以外は特に必要ありません。暑くて乾いた天候のときは粗いバークでマルチングをして乾燥を防ぎ、ナメクジからも守ります。

収穫: マメは若いうちに収穫してすぐに食べましょう。古くなると繊維質になりますから、数日中に収穫をします。マメとして密閉できる瓶に保存する場合はサヤのまま乾いて茶色になるまでそのままにしておきます。


ベニバナインゲン(ラナービーン) Runner Beans


 すべての野菜の中でもっとも収量の多いのは間違いないでしょう。これなしではいられないと思います。よい品種を選べばとても魅力的な花もみせてくれる植物です。ツル性のものも同じように育てられます。

品種: もっとも魅力的なのは古くからある品種の'Painted Lady'で、白と赤のコントラストがきれいな花が咲きます。もしもっと現代の品種がよいなら、赤い花が咲く'Polester'と白い花が咲く 'Mergoles' を隣り合わせに植えれば同じような効果を得られます。

種まき: 私が好きな方法は4月に温室で種をまくやりかたで、そうすればナメクジの被害に会いにくいのです。7.5cmのポットに2個ずつ種をまいて強いほうを残して間引きます。あるいは5月に直接2個ずつ棒を立てたところにまいて間引く方法もあります。

植え付け: 理想的には支柱の棒は30cm間隔にパーゴラに沿って、あるいはバラのドーム型アーチの上に立てます。伸びていく枝葉は特にバラの中を登っていくとオーナメンタルなつる性植物としてとても魅力的です。あるいはボーダー花壇に棒を円錐状に組んだり、フェンスの上に這わせたりもできます。植え付けは遅霜の心配がなくなる6月初めがよいでしょう。

手入れ: 最初に支柱を登って育つのを手助けする必要があるかも知れませんが、ほどなく支柱につかまるでしょう。若い苗は底を切り落としたペットボトルをかぶせたり、粗いバークでマルチングしたりしてナメクジから守ります。

収穫: まだとても若いうちに収穫します。収穫が遅れると繊維質になり、また新しいマメの成長を阻害します。休日に出かけなくてはいけないときは、お隣に収穫をお願いしておきましょう。



ビーツ Beetroot


 ビーツはその赤い葉と美味しい根がとても魅力的で役立つボーダーの野菜で、ついたくさん栽培しすぎるのが欠点です。若い根を続けて収穫できるように少しずつ栽培し、冬へのたくわえのためには旬にたくさん作りましょう。

品種: 一袋にたくさんの種が入っていますから、いくつもの品種の種を買って無駄使いをしないようにしましょう。'Boltardy'という品種はよく小さいビートを生産し、貯蔵性も優れます。

種まき: 種は最初は2月に温室で育苗トレイにまきます。ビーツの種は一つの塊りに何個か一緒になっています。一つの区画に塊りを2つずつまきます。芽生えたら間引きはしないでください。屋外での種まきはクローシュをかぶせる場合は3月、何もカバーしない場合は4月になってからです。7月まで3週間ごとに種をまいていきます。一定の場所ごとに塊りを2個ずつ、5cmの間隔でまきます。装飾的な価値が高いので、ボーダーの最前列近くに6つぐらいの場所にまくのが最良です。発芽してきても特に間引きは不要です。苗同士が単純に押し合って邪魔にならないほうへ育ち、素敵な赤ちゃんビートとなります。メインの収穫のための種まきは7月に行い、苗の間隔が23cmぐらいになるように間引きをします。

植え付け: 育苗トレイの小さな苗は4月初めにクローシュの下に植え付けることができますし、4月末なら特にカバーはいりません。苗の間隔は23cmぐらい開けます。

手入れ: 水やりと草取りを続けるだけです。

収穫: 根がまだ若くて軟らかいうちに収穫します。メインの収穫は秋に行い、霜の降りない場所で砂の入った箱に貯蔵します。


ブロッコリー Broccoli


 この項では夏に収穫の普通のブロッコリー(calabrese)と冬に食べられるスティックタイプのブロッコリー(sprouting broccoli)の両方を含めています。

品種: 最も早く収穫するなら6月に収穫の'Mercedes'でしょう。次に続くのが'Corvet'で9月で、そのあとサンゴのかたまりのような黄色いつぼみ部分をもつ美しい形の'Romanesco'が秋の終わりです。冬の終わりから早春に収穫のスティックタイプのブロッコリーでは、'White sprouting'や'Purple Sprouting'があります。ただこれらは長期間にわたって広いスペースを必要とすることは覚えておきましょう。大きな庭専用だと思います。

種まき: 普通のブロッコリーもスティックタイプのブロッコリーも4月から5月に短い列にしてまきます。

植え付け: よく水をやって、苗が7.5~10cmぐらいに成長したらボーダーに植え替えます。スティックタイプのブロッコリーはたくさんの収穫ができますからたくさん植える必要はありません。ボーダーの中ほどに3つか4つ植え付ければよいでしょう。'Romanesco'はその魅力的な形のつぼみ部分が見えるようにボーダーの前列に植えましょう。何本か一緒に植え付ける場合には普通のブロッコリーは30cm、スティックタイプのブロッコリーは60cmの間隔をとります。

手入れ: 茎の下のほうで黄色くなった葉は取り除きます。

収穫: 普通のブロッコリーでは中央のつぼみを最初に収穫すると脇芽がそのあと伸びてきます。スティックタイプのブロッコリーは定期的に収穫して、さらに脇芽の成長を促します。収穫が終わったら株ごと引き抜いて細かく切って堆肥にします。


芽キャベツ Brussels Sprouts


 冬は見た目が良くないので目立たない場所に植えたほうがよいでしょう。とても役立つ冬野菜ですから欠かせません。

品種: 良く見える場所に植えたい魅力的な品種が一つだけあります。'Rubine'は他の交配種に比べて収量はやや少ないかもしれませんが、魅力的な葉や芽の赤色と素晴らしい味が特徴です。'Montgomery'は見た目は普通ですが、12月から3月まで収穫できます。

種まき: 3月か4月に短い列にまきます。

植え付け: 苗が10cmほどに育ったら単独で、あるいは60cmの間隔でグループで植え付けます。株元に背丈の低い一年草、例えばマリーゴールドなどを植えると効果的です。

手入れ: 黄色くなった葉は取り除き、必要に応じて支柱で支えてやります。

収穫: 成熟してきたら下のほうから収穫して、収穫したところまでの葉を取り除きます。


キャベツ Cabbage


 一年中キャベツは栽培できますし、重要な食糧の一つです。私は夏の盛りのころは育てませんが、それは豆類やズッキーニなどがある時期なので必要を感じないからです。でも、その他の季節には欠かせない野菜です。もしあなたがキャベツはあまりきれいではないと思っているなら、単独であるいは3本一緒に植えて、そのまわりにウォールフラワー(ニオイアラセイトウ)や、マリーゴールドを植えてみてください。確かに綺麗に保つためには黄色くなった葉をいつも取り除く必要はありますが、それはいずれにしても必要なことです。もし土壌が根こぶ病に感染したら、特別な注意が必要になります(第10章の特殊な害虫対策の項を参照)。



春キャベツ Spring Cabbage


 一年のうち最初の収穫で4月から5月の「お腹のすいたすき間」に大いに歓迎されます。

品種: 'Myatts Offenham Compacta'は新緑の葉を使うことも、そのまま結球させることもできます。'Pixie'は間隔を狭く植えることができて、外の葉のほとんどない小さな結球となります。

種まき: 8月の初めに短い列にまばらにまきます。

植え付け: 苗が10cmになった頃に15cm間隔でできれば3~5本を一緒に植え付けます。

手入れ: 早い時期に水切れにならないように気をつけます。1月の終わりに骨粉などの肥料をやると冬のあとに一層大きく育ってくれます。

収穫: 4月には新緑の収穫ができます。一株おきに引き抜いて間隔を30cmに広げます。そのまま結球させるか、必要に応じて新緑を収穫します。



夏キャベツ Summer Cabbage


品種: 'Hispi'が今でも最高の品種で、とても早い時期に最高の品質で先のとがった結球をします。

種まき: 最初の種まきは1月末に涼しい温室で行います。種まきトレイや小さなポットに摂氏15度ぐらいでまきます。扱いやすい程度に苗が育ったら、育苗トレイにより間隔をあけて移植します。3月になったら外に直接種をまけます。私はこの時期以降に種をまく必要はないと思っていますが、5月までは種をまくことができます。

植え付け: 温室で育てた苗は外に23cmほどの間隔で植え付けてクローシュで保護します。外で育てた苗は、単独で、あるいは3本から5本を一緒に同様の間隔をとって移植します。

手入れ: 草取りと水やりです。

収穫: 固くなった結球した部分を収穫し、茎は掘り上げます。


晩夏から秋冬のキャベツ Late Summer and Autumn and Winter Cabbage


品種: 'Castell'はすぐれた秋キャベツの品種で、割れるまで3か月ほどは持ちます。冬は'Tundra'という品種が耐寒性が強く、11月から4月末まで良い状態を保ちます。赤キャベツが望みなら、'Ruby Ball'が良いでしょう。8月から1月までぐらい持ち、いつもとても見栄えがします。縮れて青みを帯びた葉のチリメンキャベツもボーダー花壇を彩ります。'Taler'は10月には収穫でき、'Wivoy'は1月から4月です。

種まき: 4月に短い列にまばらに種をまきます。

植え付け: 苗が10cmほどに育ったら、60cmの間隔で植え付けします。

収穫: 冬の間、そのまま地面に植わったままにしておき、必要に応じて切って収穫します。


ニンジン Carrots


 生であるいは調理して食べる野菜の中で最も役に立つものの一つですから、一年を通して栽培したいものです。そして、羽のような葉はボーダーではとても貴重なものでもあります。

品種: 早い時期には丸い根の'Rondo'をまきましょう。次にクローシュの下に'Early Nantes'を、そして最後は続けてまいていくことができて若いものから保存用まで使える'Berlicum Berjo'を外にまきます。

種まき: 最初の収穫のためには1月末に涼しい温室内で育苗トレイに、各セルに6粒ずつ種をまきます。間引きはしません。2回目の種まきはクローシュの下で15cm間隔で2月に行います。屋外の種まきは3月に始め、7月まで毎月、小さな区画に15cmの間隔でまき続けます。この場合は15㎝間隔で1本ずつに間引きをします。

植え付け: 最初にまいて出た苗は3月にクローシュの下に植え付け、それぞれの苗のかたまりの間に15㎝の間隔をあけて植え付けます。植え付ける前に苗のかたまりはよく水やりをしておきます。

手入れ: 草取りと水やり以外は特にありません。キャロットフライ(ニンジンバエ)の被害を受けたことがある場合は注意が必要です(第10章の「物理的な害虫対策」の項を参照)。

収穫: 必要に応じて最初の収穫は行います。そして春から夏にかけて続けて種をまいて育てたものを収穫していきます。最後の収穫は冬に向けての貯蔵用とします。11月の上旬に根を引き抜いて葉を1.3cmほどのところで切り、霜の降りない場所で砂やバーミキュレートの中に入れて保存します。


カリフラワー Cauliflower


 一番育てるのがむずかしい野菜です。根こぶ病のない肥沃な土と必要に応じての水やりが必要です。しかし、カリフラワーは素晴らしい味で、大変魅力的な野菜でもあります。成功の秘訣はよく成長させるようにずっと世話をすることです。ちょっと成長が悪いとひどい結果を招きます。

品種: つづけて収穫をしていくためにはいくつかの品種が必要になります。夏の最初の収穫は'Alpha'や'Montano'です。続いて'Nevada'や'Dok Elgon'が夏の終わりから秋に収穫です。それから'Veitch's Self-Protecting'が冬の初めです。冬の終わりのとても魅力的な'Purple Cape'も欠かせませんし、'Walcheren Winter'は4月までかかります。

種まき: 1月の末に早い品種の種を涼しい温室内でまきます。少し苗が大きくなったら間隔を広げて育苗トレイに移植します。ほかは4月から5月に菜園に短い列でまきます。

植え付け: 3月になったら状況が許せば早い品種の苗を、最初はクローシュをかぶせて、あとは普通に菜園に移植します。それぞれの苗の間隔が23~30cmになるようにグループで植え付けます。その後の品種は苗が10cmほとに育ったら、間隔を60cmとってグループで植えます。移植する苗を大きくしすぎると、成長の抑制がおこるので要注意です。

手入れ: 乾燥した天気の時には手で水やりをしましょう。冬の品種は骨粉や魚粉などを2月に与えましょう。花蕾部分が成熟してきて収穫できそうな頃にもし強い霜が予想されるときには、葉を何枚か切り取って花蕾の上をおおい、霜から守りましょう。

収穫: 花蕾がまだ硬いうちに切って収穫します。




セロリアック Celeriac


 セロリアックの膨らんだ茎は冬のおいしい野菜で、サラダにおろして、あるいは調理して使います。

品種: 'Snow White'や'Tellus'はいずれも良い品種です。

種まき: セロリと同様です。

植え付け: 間隔25cmでグループで植え付けます。

収穫: 冬の間に必要に応じて引き抜いて収穫します。セロリアックは完全な耐寒性です。



セロリ Celery


 日をさえぎって白くする品種はこの種の菜園には向かず、最近の自然に白くなるタイプの品種が魅力的で、よく大きくなります。

品種: 'Celebrity'が最良で、長くてカリッとした茎で少し霜にも耐えます。たいていの種は防カビ剤で処理してあるので、処理していないものを探してみてください。

種まき: 気温18度ぐらいの温室で、土が含まれない培養土をいれたポットやトレイにまきます。発芽には光が必要ですから、ほんのわずかにバーミキュライトをうえからかぶせるだけにします。少し広い間隔に植えなおして、外気に慣らしたあとに植え付けます。

植え付け: 一番早い収穫は苗をクローシュやフレームの中で育てて行います。主な収穫は秋になります。苗の間隔を23cm程度開けてグループで植え付けます。

手入れ: 十分に水やりを行い、粗い樹皮のマルチングをしてナメクジから守ります。霜の危険がある時にはポリプロピレン製の不織布をかけて守ります。

収穫: 必要に応じて株ごと引き抜きます。


チコリー Chicory


 チコリーには二つのタイプがあります。ひとつは秋から冬の初めに使うレタスに似たチコリー、もうひとつは促成栽培のタイプで冬を通してすばらしいサラダの材料になります。

品種: 秋のサラダには'Sugar Loaf'、赤い色のタイプは'Radicchio'があります。どちらもボーダーの前面に植えるととても素晴らしく見えます。促成栽培では'Normato'がコンパクトな白い「チコン」が冬じゅう収穫できます。

種まき: 促成タイプは4月に屋外に15cmの間隔で浅い溝に種をまきます。そのほかのタイプは6月から7月に25cmの間隔で種をまきます。トウが立つので早くまかないようにします。秋までよい収穫ができます。

手入れ: 夏の間は草取りと水やりをします。霜の危険がでてきたら、サラダタイプはクローシュをかぶせれば、冬の間も収穫ができます。

促成栽培: 11月に根を掘りあげます。上の葉を13mmほどに短く切り詰め、砂かバーミキュライトに貯蔵します。冬に必要に応じて4つか5つほど取り出して、根を30cmほどに切りそろえ、ぬらした樹皮を詰めた箱に入れ、温室か台所においておきます。暖かいほど早く育ちます。根は23cmぐらいのところまで樹皮に覆われるようにします。私は60cmの深さの桶を使っていて、夏はパティオで使います。あとは毎日育ち具合をチェックし、チコン(新芽)が20cmほどの長さになったら収穫します。


白菜 Chinese Cabbage


 有用で面白い野菜で、サラダや料理に使えます。

品種: 'Tip Top'と'Kasumi'はどちらもトウが立ちにくい品種です。

種まき: あまり早く種をまかないようにしないと、トウが立ちます。5月に、そのまま成長させる場所に種をまきます。23cmほどの間隔で一ヶ所に2,3個の種をまいて、その後間引いて1本にします。

手入れ: 十分な水分を与えるようにして、トウが立たないようにします。

収穫: 種をまいて8週から10週たって結球部を収穫します。


ズッキーニ Courgettes


 2本植えておけば、欲しいだけ夏の間ずっと収穫することができます。もしこれが野菜でなかったとしても、オーナメンタルな植物として是非植えたくなるでしょう。魅力的な葉、大きくてトランペット形をした黄色い花、そしてつやのあるエメラルドグリーンあるいは黄色の実をつけます。もしかしたら私を大のズッキーニファンと思われるかもしれませんね。

品種: 'Ambassador'は光沢のある緑色の円柱状の実をたくさんつけます。'Gold Rush'は黄金色の実を早い時期につけます。

種まき: 4月に7.5cmのポットに土を含まない培養土を入れて種を横向きにして2.5cmほどの深さにまきます。18℃ぐらいで発芽させます。。10~13℃で育て、5月の初めに外気に慣らして、霜の危険がなくなる時期に植え付けます。

植え付け: ボーダーの前列植え付け、複数植える場合には間隔を60cm空けるようにします。2日に1度はチェックして収穫をします。

手入れ: 常に水やりを欠かさないようにします。わらやバークをマルチングして実が地面に直接触れないようにし、ナメクジも近づきにくいようにします。

収穫: 実が15cmほどの長さになったら切って収穫です。人にあげることになるにしても、必ずこの長さで収穫を続けるようにすれば、持続的に実がなるのを助けます。



キュウリ Cucumbers


 栽培の詳細はマローとカボチャの項に一緒に記載してます。


フェンネル Fennel


 ハーブのフェンネルと混同しないようにしてください。フローレンスフェンネルはそのフレッシュな球根状の茎のふくらみを生であるいは調理して食べます。とても素晴らしい、アニスの実に少し似た風味があります。

品種: 'Perfection'はトウが立ちにくい品種です。種のカタログには単にフェンネルと書いてあったり、時にはイタリア語のフィノッチオという名前で載っていることもあります。

種まき: 5月中旬から6月に間隔を23cmほど空けて種をまきます。

手入れ: 水切れしないようにするのは大切で、さもないとトウが立ってきます。根元が膨らんできたら株の間に堆肥でマルチングしてふくらみをおおって、硬くならないようにします。

収穫: コンポストでおおった後、3週間以上たってから収穫します。コンポストを高く盛り上げれば、かなりの霜にも耐えてくれます。


ケール Kale


 この野菜の現代の品種はよく改良されていて、役に立ち頼りになる冬野菜です。

品種: 'Dwarf Green Curled'はこの庭には最適の品種で、味がよくカールした葉はとても装飾的です。

種まき: 4月に短い列にまきます。

植え付け: ボーダーの中ほどに1本で、あるいは3本一緒に、間隔を60cmとって植えつけます。

手入れ: 水遣りと草取りです。

収穫: 冬の間に中央部から若くてやわらかい葉を引っぱって収穫します。


コールラビ Kohl Rabi


 コールラビはかなり過小評価されている野菜だと私は思います。カブと同じように料理して食べると、とてもさっぱりとした風味ですが、スープに混ぜるととてお美味しくなります。そして、生で切ってサラダにいれると、変わった味を加えてくれます。その変わった人工衛星のような形のふくらみは、ボーダーの前列で栽培するととても面白いでしょう。

品種: 'Purple Vienna'は茎のふくらみ部分が明るい紫色で、その風味は良く、魅力的な外見が見ものです。'Rowel'はジューシーでさくっとしていて、生で食べるには最良の品種です。

種まき: 3月から6月まで連続して短い列で種をまきます。

植え付け: 苗の丈が7.5cmほどに成長したらすぐにボーダーの最前列に45cmの間隔で植え付けます。

手入れ: 十分な水遣りと、草取りをします。

収穫: ゴルフボールよりやや大きく茎が膨らんだら引き抜いて収穫します。小さいほど甘くてサクサクしていて美味しいようです。最後に大きくなってきたものはバーミキュライトの中で数ヶ月保存もできます。


ランドクレス Land Cress


 この野菜はもっと使われるべき野菜だと思います。育てやすく、クレソンの代用としても完璧です。スープに、あるいは生で試してみてください。

品種: 単に'Land Cress'あるいは'American Cress'として売られています。

種まき: 年に2回、ボーダーの前列近くに15cm離れた畝に種をまき、間隔が15cmになるように間引きます。最初は夏の収穫のために4月にまき、2回目は冬のために9月にまきます。

手入れ: 水切れが起こらないように気をつけます。

収穫: 必要に応じて収穫します。


リーキ(西洋ねぎ) Leeks


 伝統的な冬野菜で、繊細でマイルドなタマネギの風味があります。濃い青色の葉をもつ品種もあり、とても装飾的です。

品種: 'Giant Winter Wila'はとても寒さに強く、濃い青の葉をもちます。フランスの品種'St Victor'はさらに深い青でとても素晴らしい色です。

種まき: 2つの方法があります。私は3月末に種まき用セルに、それぞれ6個ずつの種をまきます。発芽してきても、間引きはしません。そのまま菜園に移植すると、それぞれの苗が押し合いながら離れていき、最終的には素晴らしいリーキができます。早く種をまかないようにしないと、シーズンの終わりにトウが立ってしまいます。もうひとつの方法は、4月に屋外で短い列に種をまいて移植する方法です。

植え付け: 4月末から5月に種まき用セルで育った苗の3~5個のブロックを一緒にボーダーの中ほどに移植します。ブロックの間隔は30cmほど空けます。この種まき用セルで育った苗は土に埋める必要はなく、蜜にくっついて育つためにお互いで茎が白くなります。屋外で育てた苗は5月に植え付けをします。15cm間隔で、穴あけ器で掘った15cmの深さの穴に植えつけます。

手入れ: 成長してきたら根元にコンポストを土寄せして日光をさえぎり、茎を白くします。水切れに注意します。

収穫: リーキは耐寒性があるので、冬の間はいつでも必要になったときに収穫します。もし間を耕す必要がある場合は引き抜いて根の部分だけ土がおおうようにかかとで踏みつけることもできます。



レタス Lettuces


 レタスはもちろんサラダ用の野菜として最もポピュラーなもので、一年のほとんどの時期を通して栽培を続けることができます。ボーダーではとても魅力的に見え、緑以外の色の品種もいくつかあります。

品種: 温室内から始めて、その後はクローシュの中で、早く育ちナッツの風味のある'Tom Thumb'や小さいサイズのパリッとしたコスレタスタイプの品種の'Little Gem'の種をまきます。これに続いて夏の間は素晴らしいパリッとした品種の'Saladin'や、もしやわらか目のバターヘッドタイプがお好みなら'Sigmaball'がお勧めです。冬は屋外ではうまく育てられた経験はありませんが、コールドフレーム内では冬の間'Plus'が収穫でき、温室内では'Kellys'が4月の収穫ができます。もし切るとまた伸びてくるタイプが好みなら、魅力的な'Red Salad Bowl'や縮れた葉の'Lollo Rossa'が良いと思います。

種まき: 1月末に軽い暖房で種まきは始まります。2月の下旬にはクローシュの中で、3月から8月は外で短い列で種まきです。早い時期は苗の間隔は15cm、'Saladin'は23cmになるように間引きます。10月にはコールドフレームに種をまき、11月は温室内のボーダーにまきます。夏の間は2週間ごとに種をまいて、収穫がずっと続けられるようにします。

植え付け: 温室で育った苗は2月にクローシュの中に15cm間隔で移植します。屋外で種をまいて出てきた苗は、間引いた苗も別の場所に移植すると少し遅れて大きくなり、これも収穫できます。早い時期は苗の間隔は15cm、その後は23cmにします。いずれもボーダーの前のほうに5本か6本の苗をグループで植え付けます。

手入れ: 定期的に水遣りと草取りをします。

収穫: 結球部分が硬くなってきたら切って収穫します。切るとまた伸びてくるタイプの品種では必要に応じて何度も収穫できます。



マロー、スクワッシュ、キュウリ Marrows, Squashes and Cucumbers


 この3つはよく似ていて育て方も同じなので一緒に述べます。どれもパーゴラやバラのアーチ、あるいはボーダーに棒で作った円錐状の支柱などに成長して登っていきます。場所をあまりとらず、実にドラマチックに見えます。

品種: マローはどれも同じような味ですから、もっとも見栄えのするのを選びましょう。'Long Green Striped'は緑と黄色のストライプ柄で、'Table Dainty'は同じような見かけの小さな実をつけます。'Sunburst'はカスタードスクワッシュで、丸くて平たく、周囲はホタテ貝のような凹凸があり、パーゴラに登らせると素晴らしく見えます。同じように黄色いラグビーボールのような形の実がなる'Vegetable Spaghetti'はとても美味しいスクワッシュで、クリスマスまでもちます。ベストなキュウリの品種は'Chinese Long Green'です。

種まき: 4月中旬に温室で土を含まない培養土を入れた10cmのポットに2個の種を深さ2.5cmでまきます。発芽には21℃ぐらいの温度が必要です。

植え付け: コールドフレームで外気に慣らし、霜の危険がなくなったら外に植え付けます。パーゴラやドーム型アーチの横に立てた支柱、あるいはしっかりした木製の三脚の横に植えつけて苗を誘引します。間隔は少なくとも60cmはとります。

手入れ: 定期的に支柱に誘引し、わき芽はかき取ります。蔓が支柱や三脚の一番上まで届いたら、先端をピンチします。

収穫: 定期的に収穫します。実を秋に熟させるために一部は残し、霜が降りないところにクリスマスまで貯蔵します。



タマネギ Onions


 タマネギはたぶんキッチンで一番よく使われる野菜でしょう。育てやすく長期間保存できます。残念ながら幸運にも5月か6月まで保存できたとしても、一年中必要な分を確保するのには十分ではありません。そこで特別な手段が必要になります。

品種: メインの収穫には種から育てるのにはやはり'Hygro'が最良で、適度な大きさに育ち保存もよくできます。ボーダーに本当に魅力的なタマネギを加えるのには深紅色の'Brunswick'や'North Holland Blood Red'と、皮が白い'Albion'がよいでしょう。いずれの品種もよい大きさに育って保存性も良好です。実際、私の庭では赤い品種がいちばん長く持ちます。もし苗を使おうと思うなら、'Sturon'や'Giant Fen Globe'をおすすめします。
 一年中連続して使うために早い時期に収穫できるようにするためには、短期間で収穫できる品種、例えば'Unwins First Early'が苗で入手可能です。いつも料理につかえるようにするもう一つの方法は、シャロットを育てることです(後述)。

種まき: 1月の終わりから2月の初めごろに育苗トレイに種をまきます。1個のセルに種を6~8個まき、15℃で発芽させます。発芽したら間引きはしません。
 屋外では3月から4月にボーダーの前列で低い畝に種をまきます。畝の間隔は7.5cmとり、発芽したら苗の間隔を7.5cmになるように間引きます。

植え付け: 育苗トレイで育てた苗は30cm間隔で一か所に3本ずつボーダーの前列に植え付けます。タマネギの葉は、ヒューケラやテリマなど丸い葉の植物や、背丈の低い白や青の花を咲かせるロベリアなどと一緒に植えると特に美しく見えます。
 メインの収穫の苗は3月から4月にボーダーの前のほうに5か所から9か所ぐらい、7.5cmの間隔で植え付けます。早い時期に収穫する品種は苗が届き次第秋に、通常は9月中に、植え付けます。

手入れ: 雑草が生えないように管理し、水を欠かさないようにします。秋植えの分は骨粉や魚粉などを2月に追加して与えるとよく育ちます。

収穫: 早い時期の収穫品種は6月に掘り上げて必要に応じて使います。8月に収穫する品種は自然に成熟させます。葉が萎れて茶色になってきたらフォークを地中に入れて持ち上げて根を切ります。そして皮が乾いて紙のようになるまで乾燥させます。湿った気候の時には温室の中で乾燥させる必要があるかもしれません。日光のもとで良く乾いて熟したら、紐でつないで吊り下げたり、ふたのないトレイに入れて霜の降りない所に貯蔵します。よく熟して乾いた球根は長く保存できます。


葉タマネギ Salad Onions


 フレーバリング、付け合せ、夏のサラダなどに役立ちます。

品種: 'White Lisbon'がやはり続けて栽培するのにはベストですが、'Winger Hardy White Lisbon'は秋から冬にも種まきができます。

種まき: 1月の末に育苗トレイのそれぞれのセルに6~8個の種をまくのが最初です。そして3月から7月にかけて毎月屋外で種をまいて育てます。ボーダーの前列に7.5cmの間隔の列をつくってまき、間引きはしません。あるいは狭い範囲に種をばらまいてもかまいません。耐寒性の品種は8月に種を同じようにまいて、5月に収穫です。

植え付け: 育苗トレイの苗は4月に15cm間隔で植え付けます。

手入れ: 草取りと水やり

収穫: 引き抜いてすぐに使います。


漬物用タマネギ Pickling Onions


 シャロットの代用品として漬物にする小さくて美味しいタマネギを作るのに役立ちます。

品種: 'Giant Zittau'は人気のある茶色の皮でとてもおいしい品種です。'Paris Silverskin'はボーダーでは見た目が良く、カクテルオニオンとして使われます。

種まき: ボーダーの最前列に密に種をまきます。2.5cm間隔の列で、あるいはばらまきをします。ふるった土を薄くかけて種をおおいます。間引きは不要です。

収穫: カクテルオニオンとするときは、ビー玉の大きさに育ったら引き抜いて収穫します。他の場合はもう少し大きく育てて収穫です。収穫したらすぐに漬物にします。


シャロット Shallots


 早ければ6月には収穫できますから、タマネギがとれない端境期を埋めるっように使えます。グルメの料理人からも高く評価されています。

品種: シャロットは種ではなく苗から育てます。いちばん手に入りやすい品種は'Giant Long Keeping Yellow'は程よいサイズで保存のきく球根をたくさん作ります。'Giant Long Keeping Red'の苗はすこし入手がむずかしいのですが、赤タマネギの明るい赤色ではなく、茶色の皮のいわゆる黄色の品種に比べて優れているわけでもありません。でも、一部の料理人からは好まれています。古い品種の'Hative de Niort'も種の業者から時々売りにでますが、球根は大きくなるのものの、保存性が劣っています。

植え付け: シャロットは耐寒性が強いので春に苗が届いたらすぐに植え付けられます。2月から3月に植え付ければ6月には収穫できます。ボーダーの前のほうにまとめて5から9か所ぐらいに、苗の間隔を10cmとって植え付けます。

手入れ: 草取りと水やりです。5月には球根のところの表面の土を取り除いて成熟を促します。

収穫: 葉が茶色になったら全部引き抜きます。タマネギのネットやふたのない容器にいれて貯蔵します。



パースニップ Parsnips


 欠かすことのできない冬の根菜ですが、世界で一番きれいな植物とは言えないことも認めます。葉が若い時はとても綺麗ですが、だんだん葉のまわりが茶色になってきてみすぼらしくなります。そういう訳で私はパースニップはボーダーの中ほどに植えるようにしています。最初は見栄えは良いのでよいですが、その後はペチュニアやサルビアのような一年草で隠すことができます。冬じゅう地中にそのままありますから、一年草はウォールフラワーなどの二年草と入れ替えます。

品種: 根瘤病に抵抗性の品種、例えば'White Gem'や'Tender and True'を選びます。

種まき: 3月から4月にボーダーの中ほどに15cmの間隔で畝に種をまき、15cmの間隔になるように間引きます。

手入れ: キャロットフライ(ニンジンバエ)から根を守ります(第10章の物理的な害虫対策の項を参照)。

収穫: パースニップは耐寒性で、霜が降りて寒くなると味がよくなります。ですから冬の間はそのまま地中に放置してしておきますが、ナメクジやハリガネムシの被害を受けやすくはなります。一番よい方法は、霜が降りるようになった12月に掘り上げて、バーミキュライトの箱に貯蔵する方法です。

根パセリ(ハンブルグパセリ) Hamburg Parsley


 これはあまり知られていない野菜で、パースニップと同じように育てやすくて味はかすかにアニスの実の風味があってパースニップより繊細な味なのに残念です。パースニップと同じように育てます。


エンドウ豆 Peas


 もし十分な広さの庭がなければ、これは栽培されないと思いますが、品種によっては美味しいだけでなく非常に魅力的なので栽培しないのはとても惜しいと思います。もちろんサヤエンドウのスペースもぜひ見つけたいものです。

品種: さやをむく普通の品種でもっとも収穫が早いのは甘い味の''douce Provence'で、草丈が60cm程度に育ちます。そのあとに続くのが草丈75cmぐらいの'Onward'というメインの収穫用の品種です。
 この庭でサヤエンドウのベストの品種は'Carouby de Maussane'で、収量は最大ではありませんが、とても素晴らしい紫色の花をつけ、それだけでも育てる価値があり、それに加えて一番おいしい平たい莢が何週間か硬くなることなく付きます。パーゴラでは150cmほどにも育ってすごくきれいに見えます。

種まき: ナメクジを撃退するためには、スイートピー用の細長いポットなどを使って温室で苗を育てます。一番早い品種は3月初めに、そのあとの品種は4月に種をまきます。あるいはパーゴラやフェンスに取り付けたネットの下に直接、一か所に種を2個ずつ、30cm間隔をとってまきます。時期は4月の初めから5月です。

植え付け: ポットで育てた苗は4月か5月に植え付けます。

手入れ: 支えにするネットを種まきあるいは植え付けの時に取り付けます。最初はネットのほうに苗を誘導してやる必要があります。収穫が終わったら茎は切り取り、根だけを残して土壌に過剰な窒素分を供給します。茎は堆肥にします。

収穫: エンドウ豆もサヤエンドウも若くて甘いうちに収穫していきます。


ピーマン(パプリカ)とトウガラシ Peppers


 一番温かい場所を除く暖房のない温室やコールドフレームで育てる野菜です。魅力的でおいしい野菜で、むずかしいことはなくよく実がつきます。

品種: 'Ace' と'Early Prolifi'は標準的な品種で、大きな緑の実をつけ、その後実は赤くなります。'Redskin'はやや新しいすばらしい品種で、18cmの鉢でたくさんの実をつけ温室だけではなく、窓際でもよく育ちます。トウガラシの品種も同じようなもので、1本か2本育てればよいでしょう。

種まき: 室温18~21℃で2月にまきます。双葉が大きくなって扱いやすくなったら、育苗トレイに5cm間隔で植え替えます。

鉢への植え付け: 3週間ほどたったら土を含まない培養土を入れた7.5cmの鉢に移し、さらに鉢に根が回ってきたら次の大きな鉢に移します。ピーマン類は根が小さく、冷たくて湿った大きな鉢にいきなり入れられるのを嫌いますから、徐々に大きくするのが大切です。最後の鉢は直径が18~23cmが適当です。

手入れ: 大きく育つにつれて支柱を立てて紐で結びます。水やりには液体肥料をいつも加えます。暑いときは換気をするか、外に出します。一本当たりの実の数は6~8個以下にします。

収穫: 必要に応じて収穫します。熟させると赤くなります。トウガラシも必要に応じて収穫し、シーズン最後には涼しい乾いた、風通しの良い小屋につるしてよく乾かしてから密閉できる瓶に保存します。



ラディッシュ(ハツカダイコン) Radish


 あっという間に成長して、簡単で、混植のボーダーでは魅力的な野菜です。ボーダーの最前列近くに植えれば、明るい赤色の根がきれいに見えます。

品種: 古くからのお気に入りは'French Breakfast'で、やはりこれがベストです。マイルドな味で、赤と白の魅力的なハツカダイコンです。

種まき: 最初の種まきは1月末に温室の中で12.5cmのポットにまき、ポットで収穫します。同時に育苗トレイの各セルに6個ずつ種をまきます。屋外の最初の種まきは2月にクローシュをかぶせて行い、それ以降は2週間ごとに9月まで種をまいていきます。短期間で収穫ですから、収穫の隙間を埋めるのにもうってつけの野菜で、スペースがある所にはどこにでも種をまくことができます。ボーダーの前のほうに普通は植えます。種をふりまいて、少し土をかけます。

植え付け: 2月に育苗トレイで育てた苗はクローシュの下に5cm間隔で植えます。

手入れ: 間引きは不要ですが、草取りと水やりは必要です。

収穫: 一番大きくなったものから順に引き抜き、残りがより大きく育つようにします。


ジャガイモ Potatoes


 メインの収穫のためのジャガイモは小さな庭には適しませんが、早い時期の品種はぜひ育ててみるべきでしょう。掘りたての新しいものはとてもおいしくいただけます。

品種: 地域によって味が異なるので、地元のガーデナーに確認しましょう。私は'Concord'が収量が多くて美味しいので好きです。葉もとても魅力的で、特にユーフォルビアなど背丈の高い草花と一緒にうえるとなおさらです。

植え付け: 3月にボーダーの中ほどに一か所に種いもを1個、2個あるいは3個ぐらい植え付けます。移植ごてを使ってできるだけ深く植え付け、間隔は約30cmとします。

手入れ: 十分な水やりをし、骨粉や魚粉などを4月に多めにやります。

収穫: 5月末から6月初めに掘ります。最初の何回かは土を掻き出して必要な分だけ収穫し、あとはもう少し大きくなるように残します。6月の後半以降に株全体を引き抜いて収穫です。保存性はよくないので、掘り上げたら味が落ちていくため、必要な分だけ収穫していくのが良いでしょう。


セイヨウゴボウとセイヨウクロゴボウ Salsify and Scorzonera


 この二つの美味しい根菜を一緒にしたのは、両者がよく似ていて同じ方法で育てられるからです。パースニップに似て、とくべつ魅力的ではありませんので、ボーダーの中ほどの一年草の間に植えるとよいでしょう。長い根が美食家の珍味とされています。

品種: 種類は少なくいずれも似たようなものです。私は白い根のセイヨウゴボウの'Mammoth'と黒い根の'Habil'を育てています。

種まき: 4月から5月に15cm間隔で低い畝にまきます。

手入れ: 草取りと水やりです。

収穫: 12月に根を掘り出して、バーミキュライトの中に保存します。



ホウレンソウ Spinach


 たくさん収穫できて見た目も魅力的なので育てるのにとても良い作物です。オーガニックで育てた新鮮なものが味がよく、きっとご馳走となります。

品種: 夏の栽培には'Symphony'が大きな綺麗な葉でトウが立ちにくいのでよいでしょう。遅い時期の種まきや難しい土壌ではフダンソウがよいでしょう。二年草でトウが立ちません。

種まき: 1月末から2月に育苗トレイにまきます。一つのセルに2粒まき、発芽したら間引いて1つにします。屋外の種まきは2月にクローシュの下から始めて、3月から7月まで毎月種をまいていきます。8月から9月にはクローシュの中でフダンソウの種をまいて、次の年の3月から4月に収穫します。ボーダーの前列より少し後ろの辺りに間隔が23cmぐらいの低い畝に種をまき、おなじ間隔になるように間引きしていきます。

植え付け: 育苗トレイの苗は3月にはクローシュの下に、23cm間隔で植え付けます。他の株と競合すると早くトウが立つことがあるので、間引きをして1本ずつで育てるようにします。

手入れ: 水切れがないようにしないとトウが立つので、水やりがとても大事です。

収穫: それぞれの外側の葉を少しずつ収穫して、残りが成長を続けられるようにします。最良の味や歯ごたえのためには収穫後すぐに食べるようにします。


スウィード Swede


 とても魅力的な野菜とは必ずしも言えませんので、ボーダーの中ほどに種はまいて、他の一年草の花で隠すと良いでしょう。おいしい冬野菜として大変育てる価値のる野菜です。

品種: 'Marian'は根こぶ病やうどん粉病になりにくいのでお勧めです。品種のよる味の違いはほとんどありません。

種まき: うどん粉病の被害を避けるために種まきは5月か6月まで遅らせます。浅い溝に23cmの間隔で畝をつくり種をまき、同じ間隔になるように間引きます。

手入れ: 水やりと草取りです。

収穫: 霜が降りることで味がよくなりますから、冬も土の中に置いたままにします。他のものを植えるために掘り上げるときは、バーミキュライトの中に保存します。


トウモロコシ Sweet Corn


 短期間で収穫できる現代の品種の出現で、極寒の地域を除けばどこでもトウモロコシを栽培することが可能となりました。ボーダーの中ほどでマリーゴールドのような花と一緒に植えるととても魅力的に見えます。

品種: 'Early Xtra Sweet'は味のよい品種ですが、それだけで植えないと異花受粉して味が落ちます。

種まき: 4月に温室で始めます。7.5cmのポットに種を2個まいて18~21℃で発芽させます。ポットに1本に間引きます。

植え付け: 6月初めに45cm間隔で3本一組で植え付けます。

手入れ: 乾燥するときはよく水やりをします。

収穫: 先端のタッセル(雄花)が黒くなったら熟して食べられます。もいで、すぐに調理します。


スイスチャード Swiss Chard


 フダンソウとも呼ばれ、秋から早春のほかにあまり野菜がないときに重宝します。大きな緑色の縮れた葉と白い茎がボーダーで立派に見えます。茎が赤やルビー色、ピンク色などの品種もあり、オーナメンタルな植物として育てられることもあります。

品種: 比較的新しい品種の'Fordhook Giant'は以前からの品種よりずいぶん改良されています。茎が赤いタイプは単に'Ruby'や'Rhubarb Chard'として売られています。

種まき: 4月と7月にボーダーの前列から少し後ろに30cmほどの間隔の畝に種をまき、同じ間隔になるように間引きします。

手入れ: 瑞々しい茎にするためにはよく水をやります。

収穫: 葉を茎の付け根からはずして収穫します。周りの葉を収穫することでさらに成長するようにします。茎と葉は別に料理するようによく言われますが、私は一緒に料理して美味しくいただいています。


トマト Tomatoes


 当然ながら温室のもっとも人気のある野菜です。夏の間じゅうたくさんの収穫を得ることもできます。屋外では葉が魅力的で素晴らしく美しい実がつくブッシュタイプの品種にします。

品種: 見かけの美しさと収量が目的で栽培されている商品としての品種よりも、もっと味のよい品種がお勧めです。温室ではたくさんの選択肢があります。大きな実がつくトマトとしては古くから人気のある味のよい'Ailsa Craig'があります。小さな実がつくタイプは'Gardener's Delight'が欠かせません。私のお勧めはこれらをポット(植木鉢)で育てることです。温室で育てるときには病気の抵抗性が高い'Piranto'などが良いでしょう。
 屋外での栽培ではブッシュタイプの'Red Alert'や'Tornado'などがお勧めです。

種まき: 温室タイプの種まきは2月に土を含まない培養土をいれたポットにまいて、温度は18℃ぐらいにします。双葉が大きくなって扱いやすくなったら植え替えます。屋外での栽培用は3月に同様にして種をまきます。

ポット植え: 本葉が2枚でてきたらさらに7.5cmのポットに植え替えます。屋外用の品種ではこのポットのままで植え付けまで待ちます。根がポットのまわりに伸びて根鉢をつくってきたら温室用の苗は最終的に23cmのポットに植え替えます。

植え付け: 霜の怖れがなくなったら屋外での栽培用のタイプではボーダーの前列より少し後ろに、60cmぐらいの間隔をとって1本だけまたは3本のセットで植えつけます。ブッシュタイプでは支柱は不要です。

手入れ: 温室のポット栽培では水遣りのたびに液体肥料をやります。温室の天井に届く支柱を立ててこれに誘引します。脇芽はこすり取ります。支柱の先端まで茎が伸びたら、先端をピンチします。黄色や茶色くなった下のほうの葉は取り除きます。花が咲き始めたら、支柱を毎朝少し揺らして花粉が花から花へ広がるようにします。屋外栽培品種は草取りと水遣り以外はとくに必要ありませんが、株元にワラやバークでマルチングして実が地面に着かないようにするのはよいアイデアです。

収穫: 定期的に実を摘み取って、他の実が大きくなるのを助けます。シーズンの終わりには屋外タイプはクローシュをかぶせて実が熟するのを促します。未熟な実も摘み取って屋内に置いておけば熟させることもできます。


カブ Turnips


 育てやすくてとても美味しい野菜です。品種の中にはその根がボーダーでとても魅力的に見えるものもあります。花壇の最前列より少し後ろに種をまきます。

品種: 最初の収穫用および定期的な種まき用には'Milan Purple Top'が根の上の部分が赤紫色になってボーダーでとても見栄えがします。保存用なら素晴らしい味の黄色の'Golden Ball'が良いでしょう。

種まき: 一月下旬に最初の収穫のために温室で育苗トレイにセル一つに種を2個か3個ずつ種まきをします。15℃に保って発芽させます。最初の屋外での種まきは2月にクローシュの中で行います。15cm間隔の畝に種をまき、同じ間隔になるように間引きをします。その後はとくにおおいをせずに3月から7月まで毎月小さな区域に種をまいていきます。

植え付け: 育苗トレイで育てた苗は2月にクローシュの下に間隔を23cm空けて植えつけます。

手入れ: 水やりと草取りをします。

収穫: 春から夏のカブは小さいうちに収穫すると最良の味です。保存用にはテニスボールサイズまで大きくします。11月の初めに掘り上げてバーミキュライトの中に保存します。