第3章 庭づくりと栽培: 整形式庭園づくり


第3章 庭づくりと栽培 Construction and Cultivation 


ఔ 整形式庭園づくり BUILDING THE FORMAL GARDEN ఔ



 もしあなたが、自分の庭を完全に整形式の庭園にしようと決心したら、しっかり決意する必要があるでしょう。この種の庭のエッセンスは整った線ときれいによく刈り込んだ外観です。ですから、きれい好きである必要があり、庭の手入れにまめでなくてはいけません。でも、花壇や園路は幾何学的ですが、植栽もフォーマルでなくてはならないわけではありません。花や果実、野菜を混植し、よりインフォーマルな方法と同じような効果を作り出してもよいのです。


塀 The walls

 塀やフェンスから始めてみましょう。インフォーマルな庭と同じように、すべての種類の果樹や花を育てるのに使えますが、ここで強調したいのは果樹のフォーマルな形への誘引です。扇形仕立てや垣根仕立てがありますし、コルドン仕立てもそうです。これらの樹木や低木の仕立て法については8章と9章に書いていますが、最初の仕事はそれぞれの枝に支えをつけることです。一番良くて安上りの支えは亜鉛引きの針金です。一生涯長持ちする強い針金を使います。できあがった木の後ろで切れた針金を入れ替えるのは見た目が悪く、時間もかかる作業です。ふつうは12ゲージ(直径2.05mm)の太さの針金でよいでしょう。

 木製の咲くには針金は支柱に30cm間隔で固定します。古い塀には亜鉛メッキされた穴の開いたくさび(vine eye)を使います。とても丈夫で、古い石灰モルタルなら簡単に打ち込めます。最近のモルタルで作られた塀は固いので、ドリルで穴をあけてコンクリートプラグと丸環ネジを固定します。

 果樹や低木の固定には水平方向の針金だけでよいのですが、クレマチスのような巻き付いていく性質をもつつる性植物をからませる場合には、縦方向の針金も必要になります。縦の針金は少し細いもので十分で、適当な長さに切って水平方向に張った針金に巻き付けて固定し、四角い網目をつくります。



園路 Paths

 園路には敷石かレンガを敷くのが良いと思います。小石の園路のように植物を園路に植えるのは整形式の直線的なラインにはふさわしくありません。その代わりに砂利を使います。

 砂利の園路は排水性の良いところなら、固めた土の上に直接砂利を敷くことができます。理想的には土台は中央部を少し高くして、両端へ水が流れるようにします。もし道路の底石(レンガや石のかけら)が使えるなら(新しく家を建てたところの庭には結構たくさんあるでしょう)、園路の両側に浅い溝を掘って底石を入れ、その上から砂利を敷きます。こうすればひどい雨の日でも園路に水たまりができることはありません。踏み固めた土の上に5cmの厚みで砂利を敷いて平らにならします。もちろん園路は土がしまるにつれて不均等に沈みますが、少し砂利を足してならせばよいでしょう。



ボーダー花壇 Borders

 ボーダー花壇は非常にフォーマルにレイアウトされるので、当然その縁もきちんと整ったものにしなくてはいけません。もし直線だけのデザインであれば、板を使って簡単に縁取りができます。10×2.5cmの大きさで、できれば防腐剤処理済みの板を使います。私の庭では板にマットグリーンの色の防腐剤を塗り、それぞれの縁取りの角に取り付けた支柱の明るい赤色とコントラストをつけました。

 5×5cmの木材を60cmの長さに霧、7.5cm角の板の笠木をねじで支柱の上に取り付けます。支柱に取り付ける前に笠木の中央に上向きのネジを打っておき、木製のボールをその上に取り付けるために使います。実は支柱の上に取り付ける木製のドングリ形の支柱飾りを買って取り付けたのですが、とても魅力的に見え、しかも散水用のホースを庭で引き回すときに支柱はとても役に立ちました。
 
 ボールと笠木は支柱を地中に打ち込むときには外しておきます。支柱は縁取りの板のそれぞれの角のところに板より12.5cm高い位置まで打ち込みます。つまり土のなかには37.5cm打ち込むことになります。

 縁取りの板は花壇側に打ち込んだ木釘に固定しますが、木釘は板より少し低くして、土がかかって見えなるなるようにします(砂利の園路の項を参照)。ここでも縁取りの板が同じ高さになるように水準器で確かめます。良い位置になったら角の支柱にネジで取り付けて、全体がしっかり固定されるようにようにします。最後に笠木とボールを元の位置にねじ込みます。

 デザインに曲線を使うときには、木を使うのはかなり難しい作業になります。ゆるやかな曲線ならば、レンガの園路の項で紹介したように板の凹側に鋸で切れ込みをつけて曲げますが、もっと強い曲線、たとえば円形をつくるのはこの方法ではうまくいきません。

 円形にするのにはビクトリア時代のお縁どり用タイルを使うと簡単にできますが、入手がやや難しく、また値段が高いと思います。新しく作られたタイルもありますが、やはりまだ結構高価です。

 代わりにレンガを使う方法があります。レンガを斜めにして並べれば、とてもすてきは仕上がりになります。もしレンガを使おうとなった場合は、霜が降りても割れないレンガを使ってください。

 板を使う方法もありますが、とても込み入った方法になります。厚さ3mmの屋外用の合板を10cm幅に切り、地面に打つ込んだ木釘のまわりに曲げながら円形にして、外面に防水用の接着剤を塗って別の合板と張り合わせ、これを繰り返して2cmの厚みにします。



植栽 Planting

 このタイプの庭の植栽は、他のデザインの庭よりフォーマルなものにします。例えば、一つの花壇には一種類の植物を植えるようにしたり、花壇の縁取りにボックス(セイヨウツゲ)やラベンダーの低い生垣を使ったりします。すでに述べたような理由から花を必ず含めるようにし、野菜や果物と混植したり、あるいはそれぞれ別々の花壇に植えたりします。

 独立した木々はフォーマルな形に仕立てると、とても魅力的になります。刈り込んだ半分スタンダード仕立てのようにしたホリーなど使えますし、もし暖かい地方なら月桂樹も良いでしょう。また実のなる木がよければ、ロリポップ型に仕立てたリンゴの木を植えてみても楽しいでしょう(第8章リンゴの項を参照 p207)