第8章 樹木の果実: マルベリー

第8章 樹木の果実  TREE FRUIT



ఔ マルベリー MULBERRIES ఔ



 マルベリー(クワ)は大きな庭園に限られます。すばらしい半球形の樹形ですが、何と直径6~9メートルぐらいの堂々たる大きさに成長します。成長はゆっくりですが、10年以内には狭いスペースでは問題を起こしてきます。もしスペースがあるなら、これより魅力的な果樹は少ないでしょう。南向きの壁にファン仕立てにして育てることもできます。


品種 Varieties


 もっとも耐寒性の強い品種が一番より実をつけます。ですからブラック・マルベリーにすべきです。ブラック・マルベリー(黒実桑)の苗木はたいていの園芸店や果樹専門店で扱っていると思います。私がみたことのある唯一の品種は'Large Black'です。自分の根で育ち、自家結実します。

植え付け Planting


 実が落ちるときに傷がつくのを防ぐために、芝生の中にスタンダード仕立ての木は植えられます。ファン仕立ての場合は南向きの壁によく植え付けますが、西向きの壁でもかまいません。コンテナで育てた木は移植にはもっともよく耐えます。

剪定 Pruning


 洋ナシの項で説明したように扇状に固定した棒に枝を誘引します。4つから5つの枝を結んで、30cmごとに側枝を伸ばして壁をおおうようにします。側枝からでた枝は洋ナシと同じように夏に剪定しますが、少し長めの10~12.5cmほどを残すようにします。
 スタンダード仕立てではほとんど剪定はしませんが、一部の側枝は6月に短くして一連の結実枝をつくるようにしても良いでしょう。

収穫 Harvesting


 果実は8月か9月に収穫できるようになります。ファン仕立ての枝から注意して手で摘み取ります。大きな木では昔からの方法にならって、芝の上にシートを敷いてその上に実が落ちるようにします。果実は長くはもちませんので、瓶詰にしたりジャムにしたりします。