第9章 ソフトフルーツなど: (8) ラズベリー

第9章 ソフトフルーツなど  SOFT FRUIT - AND SOME OTHERS



ఔ ラズベリー RASPBERRIES ఔ



 ラズベリー抜きの菜園はとても考えられないでしょう。これよりもおいしい果実はほとんどありませんし、いくつかの品種を植え付ければ最初の霜が降りるまでずっと収穫が続きます。しかし残念なことにはっきりした2つの欠点があります。

 最良の時でも一番美しい植物とは言えませんし、美しさのテストでは装飾的菜園には不合格でしょう。しかも、ごく狭い庭にうまくフィットさせるのもとても難しいのです。私のプランでは、どこに並べて植えるにしても、その後ろに手が届かなくなってしまい、すぐ横にある植物への日当たりをほとんどブロックしてしまうことがわかりました。そこでちょっと考え方を変えました。

 いったいなぜまっすぐ一列に植えるのでしょうか?答えはもちろん、それが一番簡単に支柱をすることができるからです。しかしちょっと考えてみれば、円形の支柱を作るのもそうむずかしくはないでしょう。一列にでなく、円柱状に育てるわけです。円柱の中心部は日当たりが悪くなるので、実の付きは悪くなるかも知れませんが、他の植物への日当たりを妨げるのは最少で済み、葉がある間は緑の円柱を形作り、見た目も魅力的だと思います。ただ、白状すれば、この方法も新しい枝が伸びてくるとうくいかなくなって、また形が乱れてしまいます。しかし、その乱れは青々とした緑のため、我慢できるものです。この育て方であれば、ラズベリーも確かに資格があります。



夏収穫の品種 Summer-fruiting varieties



 'Glen Clova'は何年も続けて私に尽くしてくれている品種です。とても勢いが強く、高さは最終的に270cmにも達しますが、もちろん好みに応じて切り戻して低くすることは可能です。果実は大きく素晴らしい味で、たくさん実をつけます。シーズンの早い時期に収穫できます。


 'Glen Prosen'はシーズンの中ごろに収穫する品種で、枝にトゲがなく、程よい大きさの味の良い実をつけます。アブラムシに強く、ある程度の病気の耐性もあります。完全なオーガニックガーデンではこれはいつも重要です。

 'Malling Leo'はシーズンの終わりごろに収穫の品種で、大きなしっかりした甘くてアロマティックな味の実です。アブラムシに抵抗性があります。


支柱 Supports


 ラズベリーは支柱とワイヤーの構造物で支えてやる必要があります。支柱は地面から180cmの高さが必要です。ワイヤーは一番下は地面から60cmの高さにつけ、あとは一番上のあたりと、もう一本中間の高さに取り付けます。もし列をなしての栽培が可能なスペースがあるなら、両端の支柱はしっかりとつっかえ棒をし、途中は3メートルごとに支柱が必要です。円柱状に育てる場合には、90cmの長さの板を支柱に十字に釘止めし、その板の端に穴をあけてワイヤーを通して、枝を支えるようにします。



植え付け Planting


 苗は秋から冬に果樹専門業者から購入し、支柱に沿って植え付けます。植え付けの間隔は45cmです。植え付けたら地面から15cmまで切り詰めます。


手入れ Cultivation


 植えた最初の年は新しいシュート(枝)が苗の一番下から伸びてきます。強いシュートを選んでワイヤーに10cmの間隔をあけて固定します。弱いシュートや込み入ったところは切ります。一年目は一番上のワイヤーまでは成長しないと思いますが、株がしっかりしてきたら必ず伸びてきます。

 骨粉などの肥料を2月に与え、堆肥や肥やしでマルチングをします。株から外に向かって伸びるサッカーを見つけたら、使える場所でない場合はなるべく丸ごと引き抜くようにします。


剪定 Pruning


 植えた最初の年は剪定は不要です。ワイヤーに結びつけた枝に次の年に実が付きますが、同時に強いサッカーがまた地面から延びてくるでしょう。実を収穫したあとに実をつけていた枝は切り、新しく伸びてきた枝を誘引します。もし支柱より高く成長してきたら、一番上のワイヤーから7.5cm植えのレベルで剪定します。剪定した古い枝は細かく粉砕して雑草除けのマルチングに使えます。


秋収穫の品種 Autumn-fruiting varieties


 秋に収穫するタイプの古い品種はすべて最近出てきた'Autumn Bliss'にとって代わられました。'Heritage'や'Zeva'などの古い品種に比べて約3倍の収穫量があります。

 枝の成長は夏収穫の品種にくらべると弱く、育て方もかなり異なります。円状に植え付け、間隔は30cmとります。支柱をする必要はありませんが、開けたところに植えている場合には全体を紐で括っておいたほうが良い場合もあります。もし広いスペースがあるなら、列状に育てることももちろんできます。

 実はその年に延びた枝につきますから、剪定はとても単純です。2月に地際まで短く切るだけです。その時に肥料やマルチングをするのは夏収穫の品種と同じです。



収穫 Harvesting


 実を引っ張ってヘタからはずすように収穫します。枝は収穫のあと切られるため、病気の危険性は低いです。冷凍庫や瓶詰を除けば保存はききません。もちろんジャムにもできます。