第9章 ソフトフルーツなど: (7) グースベリー、レッドカラント、ホワイトカラント

第9章 ソフトフルーツなど  SOFT FRUIT - AND SOME OTHERS



ఔ グースベリー、レッドカラント、ホワイトカラント ఔ

GOOSEBERRIES, RED CURRANTS, WHITE CURRANTS



 グースベリーは魅力的な形に育てることができます。そして早い季節に実がつきますから、冷凍や瓶詰、そして考えたくもないですが、買ってきたもので冬を過ごした後にはとても歓迎されるフルーツです。レッドカラントやホワイトカラントも果実がつくととても魅力的ですから、光り輝く赤い実や光沢のある銀色の実を食べるために収穫するのがとても惜しいような気にいつもなります。いずれも育て方はまったく同じです。



品種 Varieties


 グースベリーの品種を選ぶ際には、味や収量よりもまず重要なのはウドンコ病への抵抗性です。グースベリーはアメリカグースベリーウドンコ病への受難者で、葉を白いフェルトで覆われて回復が困難です。しかし、これに抵抗性のある新しい品種が今はでてきていて、私はそれをお勧めしています。ウイルス病にかかりやすいこともあり、病気がないことを保証してくれる所から購入しましょう。

'Jubilee'は最近紹介された品種で、以前から人気のある'Careless'とよく似ていますが、ウドンコ病に強いのが特徴です。この品種はウイルス病も排除されていますので、オーガニックなガーデナーにはうってつけです。大きな黄色い果実をたくさんつけ、料理に使ったり、完熟させて生で食べたりすることができます。

'Invicta'はウドンコ病に強いもう一つの新しい品種です。これも味の良い白い大きな実をたくさんつけます。ただ、茂みが横に広がりやすく、たくさんトゲがある点はこのタイプの庭園に植える際には欠点となります。

'Red Lake'はレッドカラントでは一番の品種で、ジューシーで味のよいベリーがたくさん収穫できます。

'White Versailles'はホワイトカラントの品種としては唯一広く入手可能なものです。果実は生で食べても料理してもすばらしく、ボーダーではとても見栄えがします。


植え付け Planting



 グースベリーとカラントはスペースを有効利用するためには違った方法で育てることもできます。どのような育て方をするにしても苗木は秋に購入し、ブラックカラントとは違って、ナーセリーで植えられていた時と同じ深さに植え付けます。グースベリーとレッドおよびホワイトカラントは脚、すなわち短い幹の上に育てるようにして、下の草取りをしやすくし、果実が地面に着かないようにします。

 もし普通の低木として育てる場合には、苗木の間隔は120cmとります。これは広い庭に適した方法で、狭い庭ではコードン仕立てやスタンダード仕立てにして貴重なスペースを節約するのが良いでしょう。三本のアームの「トリプル・コードン仕立て」に誘引された苗木を購入することもでき、これはお勧めです。南、東、あるいは西向きの壁のところに、間隔を90cmとって植え付けましょう。

 スタンダード仕立ては、90~120cmのまっすぐな幹の上に茂みを作ります。植え付けの間隔は最短150cmぐらいですが、装飾的菜園では十分間隔を取ったほうが見栄えがよいと思います。植え付けるときにはしっかりした支柱を立てて、バラの支柱などで使う結紮バンドを使って固定します。果実がたくさん実ったら、かなりの重さを支えることになります。私はまだグースベリーのスタンダードしか見たことはありませんが、カラントもこの方法で育ててはいけないという理由はまったくありません。


剪定 Pruning

 ほとんど注意は不要です。冬に枯れ枝、病気の枝、込み合いすぎた枝などを剪定して、中央部を開放的にするようにします。枝の1/3ほどを切り詰める良く、まっすぐ伸びる品種では下向きや外向きの目の芽まで切り、枝垂れるタイプでは上向きの芽まで切ります。これも冬に行います。

 スタンダード仕立ても同じようにしますが、立った状態にします。

 コードン仕立てはとてもとても楽しみで、見栄えが良く、15cmほどのスペースがあればよいので、少し面倒でも植える価値があります。リンゴと違って、その「腕」は地面に対して角度をつけずに直立に伸ばして育てます。

 トリプル・コードン仕立ては三叉の矛(ほこ)のような形で、3本の「腕」を30cm間隔にします。枝が2本のダブル・コードン仕立てしか手に入らないときは、間隔は60cm空けて植え、枝の間はやはり30cmにします。180cmの棒を30cm間隔で立てて壁に固定し、枝をこの棒に結び付けて、毎年冬に1/3ほど枝を切り詰めます。

 8月には側枝の芽を3つ残して切り詰めます。こうすればリンゴの項で述べたように結果枝のシステムを作り出すことができます。



手入れ Cultivation


 草取りと水遣り以外はほとんどすることはありません。ブラックカランと同じように、2月にマルチングと施肥を行い、もちろん鳥対策はネットを使います。


収穫 Harvesting


 グースベリーは完熟するちょっと前に収穫を始め、その後に熟してくる果実のスペースを確保してやります。未熟な果実は料理に使います。デザート用は完熟させてから使います。瓶詰めやジャムにしないと保存はききません。カラントはブラックカラントと同じで、柄ごと収穫してから実をとります。


ふやし方 Propagation


 挿し芽をとりますが、時期はブラックカラントより少し早めに9月にします。植えつける前には根をよく観察して、サッカーがでてきていたら取り除きます。